混和材料ってなに?

概要

コンクリートの様々な性能を改善し、
品質を向上させることを目的として用いられる材料を混和材料といいます。

混和剤と混和材

使用料が少なく(セメントの5%未満)コンクリートの練上がり容積に算入されないものを混和剤
使用料が比較的多く(セメントの5%以上)それ自体が
コンクリートの練上がり容積に算入されるものを混和材としています。

混和剤の種類

(1)独立した微細な空気泡を連行することにより、コンクリートのワーカビリティや耐凍害性などを改善させるもの
-AE剤
【関連記事】<AE剤とは

(2)セメントに対する分散作用により流動性の改善あるいは強度を増大するもの
-減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、流動化剤
【関連記事】<減水剤とは

(3)凝結時間および硬化時間を調節するもの
-硬化促進剤、凝結遅延剤、急結剤

(4)防水効果を与えるもの
-防水剤

(5)空気泡の作用により充填性を改善したり、質量を軽減するもの
-起泡剤、発泡剤

(6)その他
-鉄筋コンクリート用防せい剤、水中不分離性混和剤、保水剤、収縮低減剤、分離低減剤(増粘剤)、防凍・耐寒剤

化学混和剤の性能・品質

化学混和剤の性能は、JIS A 6204に規定されています。

 

項目AE剤高性能減水剤硬化促進剤減水剤標準形減水剤遅延形減水剤促進形
減水率(%)6 以上12 以上4 以上4 以上4 以上
ブリーディング量の比(%)100 以下
ブリーディング量の差(cm3/cm2)
凝結時間の差 始発(min)-60~+60+90 以下-60~+90+60~+210+30 以下
凝結時間の差 終結(min)-60~+60+90 以下-60~+90+0~+2100 以下
圧縮強度比 材齢1日(%)120 以上
圧縮強度比 材齢2日(%)130 以上
圧縮強度比 材齢7日(%)95 以上115 以上110 以上110 以上115 以上
圧縮強度比 材齢28日(%)90 以上110 以上90 以上110 以上110 以上110 以上
長さ変化比(%)120 以下110 以下130 以下120 以下120 以下120 以下
凍結に対する抵抗性
(相対動弾性係数)(%)
60 以上
経時変化量 スランプ(cm)
経時変化量 空気量(%)
表_化学混和剤の性能(JIS A 6204)
項目AE減水剤標準形AE減水剤遅延形AE減水剤促進形高性能AE減水剤標準形高性能AE減水剤遅延形流動化剤標準形流動化剤遅延形
減水率(%)10 以上10 以上8 以上18 以上18 以上
ブリーディング量の比(%)70 以下70 以下70 以下60 以下70 以下
ブリーディング量の差(cm3/cm2)0.10 以下0.20 以下
凝結時間の差 始発(min)-60~+90+60~+210+30 以下-60~+90+60~+210-60~+90+60~+210
凝結時間の差 終結(min)-60~+90+0~+2100 以下-60~+90+0~+210-60~+90+0~+210
圧縮強度比 材齢1日(%)
圧縮強度比 材齢2日(%)
圧縮強度比 材齢7日(%)110 以上110 以上115 以上125 以上125 以上90 以上90 以上
圧縮強度比 材齢28日(%)110 以上110 以上110 以上115 以上115 以上90 以上90 以上
長さ変化比(%)120 以下120 以下120 以下110 以下110 以下120 以下120 以下
凍結に対する抵抗性
(相対動弾性係数)(%)
60 以上60 以上60 以上60 以上60 以上60 以上60 以上
経時変化量 スランプ(cm)6.0 以下6.0 以下4.0 以下4.0 以下
経時変化量 空気量(%)±1.5 以内±1.5 以内±1.0 以内±1.0 以内
表_化学混和剤の性能(JIS A 6204)

 

混和材の種類

(1)ボゾラン活性(ボゾラン反応性)のあるもの
-フライアッシュ、シリカフューム、火山灰、けい酸白土
【関連記事】<フライアッシュとは><シリカフュームとは

(2)潜在水硬性のあるもの
-高炉スラグ微粉末
【関連記事】<高炉スラグってなに

(3)硬化過程において膨張を起こさせるもの
-膨張剤
【関連記事】<膨張材

(4)オートクレーブ養生によって高強度を生じさせるもの
-けい酸質微粉末

(5)高流動コンクリートで所要の材料分離抵抗性を確保するために使用
-石灰石微粉末:フライアッシュ・高炉スラグとは異なり、非結合性の混和剤です

 

項目フライアッシュシリカフューム高炉スラグ微粉末膨張材
特徴ボゾラン活性
(ボゾラン反応)
マイクロフィラー効果
ボゾラン活性
(ボゾラン反応)
潜在水硬性エトリンガイトや
水酸化カルシウムの生成
付与される性能水密性
長期強度増進
水和熱低減
アルカリシリカ反応抑制
高強度化
高耐久化
海水に対する抵抗性
硫酸塩に対する抵抗性
アルカリシリカ反応抑制
高強度化
高流動化
ひび割れ抵抗性
ケミカルプレストレス
使用上の注意点最適な種類と置換率
強熱減量などの風化
初期湿潤養生
自己収縮
ハンドリング
最適な種類と置換率
自己収縮
初期湿潤養生
初期湿潤養生
品質の規格JIS A 6201JIS A 6207JIS A 6206JIS A 6202
表_混和材の特徴と性能一覧