AE剤ってなに?

概要

AE剤
Air Entraining Agent(:空気連行剤)
ワーカビリティと耐凍害性を向上させることができます。
界面活性剤の一種です。
コンクリート中に多くの独立した微細な空気泡を一様に連行します。

エントレインドエアとは

:Entrained Air
コンクリート中に連行された球状で微細な空気泡(直径30~250μm)のことです。
連行空気泡と呼ばれています。
気泡間隔係数は、150~250μm程度です。

エントラップトエアとは

:Entrapped Air
混和剤を用いないコンクリートでも1~2%程度含まれている気泡のことです。
大きさはエントレインドエアに比べると粗大で、
形状も不整(=球状ではない)です。
潜在空気と呼ばれています。
空気量が2%以下では、耐凍害性の向上にはほとんど効果がありません。
標準の空気量は4.5%となっています。
気泡間隔係数は、400~750μmです。

気泡間隔係数とは

コンクリートのセメントペーストの任意の点から
その周辺に存在する気泡の外周部までの距離の最大値を示す指標です。

 
気泡間隔係数が小さい⇒微細な気泡が多く存在する⇒耐凍害性が高い
気泡間隔係数が大きい⇒微細な気泡が少ない⇒耐凍害性が低い
⇒AE剤を使用=耐凍害性が高くなります。

AE剤の効果

(1)単位水量を減少
エントレインドエアは、
コンクリート中でボールベアリングのような働きをします。
ワーカビリティが改善され、
所要のコンシステンシーを得るための単位水量を減少させることができます。

(2)分離抵抗性の向上
同じスランプのコンクリートに比較して
ブリーディング・材料分離などの不具合が少なくなります。

(3)圧縮強度は、空気量の増加に反比例して低下します。

(4)耐凍害性
コンクリート中にエントレインドエアが適正量存在すると、
自由水の凍結による膨張圧を緩和する働きをします。
水の凍結時の体積膨張を気泡で緩衝することにより
凍結融解の繰り返し作用に対する抵抗性が大きくなります。

連行空気量について

(1)AE剤の連行空気量は、AE剤の使用料に比例して増加します。
⇒AE剤を多く投入すればするほど、連行空気量が多くなります。

(2)セメントの粉末度が大きくなるほど(=比表面積が大きくなるほど)、
セメント量が多くなるほど空気連行能力は低下します。

(3)細骨材量を増すと連行空気量は増加します。
細骨材のうち、0.3~0.6mmの部分が多いと、空気は連行されやすくなります。
0.15mm以下の部分が多いと、空気は連行されにくくなります

(4)コンクリートの練上がり温度が高いと、連行空気量は少なくなり
練上がり温度が低いと、連行空気量は多くなります。

(5)フライアッシュに含まれる未燃炭素はAE剤を吸着するため、
未燃炭素が多いフライアッシュを使用すると
必要な連行空気量を得るのにAE剤の使用量が大幅に増えます

(6)回収水中のスラッジ固形分が多くなるとAE剤の使用量が増加します
⇒回収水中のスラッジ固形分量が多いほど、連行空気量が少なくなります。

(7)AE剤の使用量が一定である場合、
軟練りコンクリートの方が、硬練りコンクリートよりも連行空気量が多くなります。