概要
コンクリートに加えられる混和材のひとつです。
フェロシリコンを製造する際に、
電気炉で2000℃近くまで熱されて気化したシリコンガスが
排気ダクトで酸化したものを
集塵機で回収して集められた副産物です。
日本では電気料金が高くなり
フェロシリコンの製造は行われなくなったため
日本で使われるシリカフュームはすべて輸入品です。
シリカフュームの規格
シリカフュームの品質は、JIS A 6207(コンクリート用シリカフューム)に規定されています。
項目 | 品質規格 |
---|---|
二酸化けい素(%) | 85.0 以上 |
酸化マグネシウム(%) | 5.0 以下 |
三酸化硫黄(%) | 3.0 以下 |
遊離酸化カルシウム(%) | 1.0 以下 |
遊離けい素(%) | 0.4 以下 |
塩化物イオン(%) | 0.10 以下 |
強熱減量(%) | 4.0 以下 |
湿分(%) | 3.0 以下 |
比表面積(\(m^2/g\)) | 15 以上 |
活性度指数(材齢7日)(%) | 95 以上 |
活性度指数(材齢28日)(%) | 105 以上 |
シリカフュームの主成分は二酸化けい素(\(SiO_2\))です。
シリコンの生成過程でできる物質なので当然ですね
形状は球形(=非結晶質)です。
平均粒径0.1μm、比表面積は200000\(cm^2/g\)
密度は、2.1~2.2\(g/cm^3\)
シリカフュームの特徴
マイクロフィラー効果とは
シリカフュームの粒径は0.1μmとAE剤で連行される空気(30~250μm)よりもかなり小さいです。
シリカフュームをコンクリートに混ぜると
この小さくて細かい粒径のシリカフュームが、セメント粒子のあいだに充填されることにより
流動性がありながら材料分離が起きにくいコンクリートになります。
シリカフュームがもたらす流動性と材料分離抵抗性の役割のことをマイクロフィラー効果といいます。
水セメント比の小さいコンクリートや、繊維補強コンクリートの混和材に用いられます。
シリカフュームが混和されることにより
コンクリートの密実性が高まります。これにより
・強度が高くなる。
・水密性が高くなる。
・化学抵抗性が大きくなる
などの効果があります。
また、アルカリシリカ反応の抑制に効果があることも確認されています。
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