荷重ってなに?反力ってなに?

荷重とは

部材に作用する力のことを荷重といいます。

力もしくはモーメントなので、単位は「N」もしくは「N・mm」になります。

(「kN」もしくは「kN・m」の場合もあります)

集中荷重

1点に作用する荷重です(EX:車両の輪荷重等)。

 

分布荷重

 ・等分布荷重

  均等に分布する荷重です(EX:構造物の自重等)。

 

 ・変分布荷重

  直線的に変化する分布荷重です(EX:水圧・土圧等)。

 

 

モーメント荷重

  部材のある点にモーメントとして作用する荷重です。

 

反力とは

部材に荷重が作用すると、つりあいを保つように各支点で作用した荷重に応じた力が生じます。この荷重に対して支点に生じた力を反力といいます。

反力を求めるときは、まず反力の向きを仮定してつりあいの条件式より、連立方程式を立てて解きます。これで求められた反力がマイナスになった場合は、仮定した反力の向きが逆だったことを示します。

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単純梁の反力の求め方

<例題>下記の単純梁の反力を求めてみます。

単純梁の2箇所に集中荷重が作用しています。

このときの支点A,Bの反力を求めていきます。

ステップ1 反力の仮定

 

A点に水平反力HA、鉛直反力VA が矢印の向きに、

B点に鉛直反力VBが矢印の向きに生じると仮定します。

上向きの力(=プラス)、下向きの力(=マイナス)

右向きの力(=プラス)、左向きの力(=マイナス)

時計回りのモーメント(=プラス)、反時計回りのモーメント(=マイナス)

反力はプラスの向きで仮定し、

連立方程式の解がマイナスになった場合は、仮定した向きが逆だったことになります。

ステップ2 荷重を鉛直方向・水平方向に分解

 

 

次に、集中荷重P2を水平方向の成分(\(=P2_x\))と鉛直方向の成分(\(=P2_y\))に分解します。

 \(P2_x=P2\times\mathrm{cos}60°=4\times\Large{\frac{1}{2}}\)\(=2 kN\)

 \(P2_y=P2\times\mathrm{sin}60°=4\times\Large{\frac{\sqrt{3}}{2}}\)\(=3.46 kN\)

ステップ3 力のつりあい条件より連立方程式を立てて解く

最後に、水平方向の合力がゼロ(\(\sum{H}=0\))、

鉛直方向の合力がゼロ(\(\sum{V}=0\))、

A点でのモーメントがゼロ(\(\sum{M_A}=0\))

の連立方程式を立てて解きます。

 \(\sum{H}=0=H_A-P2x=H_A-2.00\)

   \(H_A=2.00kN\)

 \(\sum{M_A}=0=P1\times2+P2y\times6-V_B\times10\)

 ⇒\(2\times2+3.46\times6-V_B\times10=0\)

   \(V_B=2.48kN\)

 \(\sum{V}=0=V_A-P1-P2y+V_B=V_A-2.00-3.46+2.48\)

   \(V_A=2.98kN\)

 

 単純梁に集中荷重が作用した場合の反力は、このようになります。

片持ち梁の反力の求め方

  1. 反力を仮定します。
  2. 荷重を鉛直方向・水平方向に分解します。
  3. 力のつりあいより、連立方程式を立てて解きます。

<例題>下記の単純梁の反力を求めてみます。

片持ち梁の2箇所に集中荷重が作用しています。

このときの固定端B点の反力を求めていきます。

進め方は、単純梁のときと全く同じの3ステップです。

ステップ1 反力の仮定

 

 

B点に赤色矢印のように水平反力HB、鉛直反力VB、モーメントの反力MBが生じると仮定します。

 
プラス・マイナスの向きの考え方は、単純梁のときと全く同じです。

ステップ2 荷重を鉛直方向・水平方向に分解

 

 

次に、集中荷重P2を、水平方向の成分(=\(P2_x\))と、

鉛直方向の成分(=\(P2_y\))に分解します。

 \(P2_x=P2\times\mathrm{cos}30°=4\times\Large{\frac{\sqrt{3}}{2}}\)\(=3.46kN\)

 \(P2_y=P2\times\mathrm{sin}30°=4\times\Large{\frac{1}{2}}\)\(=2.00kN\)

ステップ3 力のつりあい条件より連立方程式を立てて解く

最後に、こちらも単純梁のときと同様で

水平方向の合力がゼロ(\(\sum{H}=0\))、

鉛直方向の合力がゼロ(\(\sum{V}=0\))、

B点でのモーメントがゼロ(\(\sum{M_B}=0\))

の連立方程式を立てて解きます。

 \(\sum{H}=0=H_B+P2_x=H_B+3.46\)

   \(H_B=-3.46kN\) (∴仮定した向きが逆)

 \(\sum{V}=0=-P1-P2_y+V_B=-2.00-2.00+V_B\)

   \(V_B=4.00kN\)

\(\sum{M_B}=0=-P1\times(4+4)-P2y\times4+M_B=-2\times(4+4)-2\times4+M_B\)

   \(M_B=24.00kN\cdot{m}\)

 

片持ち梁に集中荷重が作用した場合の反力は、このようになります。