JASS5(2021年改定予定)

 
2021年1月時点の情報で記事を執筆しています。

JASS5とは

日本建築学会が発行している建築工事標準仕様書・同解説のうち

「鉄筋コンクリート工事」に関して記載されまとめられています。

ジャスファイブと読みます(ジャスゴというひともいるみたいです)。

建築現場のコンクリートは、ほぼJASS5に則って打設されていると言っていいと思います。

そのくらい、コンクリートについての大切な仕様が記載されています。

前回のJASS5の大幅改定は2009年でした。

2021年改定のメインテーマは「環境配慮」

・資源循環性

・低炭素性

・環境安全性

の三つについて等級が設定されます。

非腐食環境下で使われるコンクリートについて

耐久設計基準強度を設定しなくて良いことになります。

特殊コンクリートとして「低収縮コンクリート」が設定されます。

資源循環性について

・高炉セメント・フライアッシュセメントなどの混合セメント

・再生骨材・各種スラグ骨材

・回収水

の使用割合によって等級でランク分けし評価することになります。

低炭素性について

使用するセメントの種別によって、等級でランク分けし評価することになります。

環境安全性について

評価方法は未定です(2021年1月時点)

非腐食環境ってなに?

近年の調査と研究で、水分が作用しない環境では

鉄筋の腐食が起きないことが明らかになっていることから

水分が作用しない環境のことを「非腐食環境」として定義されます。

具体的には、室内の床や壁が該当します。

この非腐食環境のコンクリートには

耐久設計基準強度を設定しなくてよくなります。

耐久設計基準強度ってなに?

構造体コンクリートの供用期間の級ごとに要求される

耐久性上必要な圧縮強度のことです。

短期:\(18N/mm^2\)

標準:\(24N/mm^2\)

長期:\(30N/mm^2\)

超長期:\(36N/mm^2\)

【関連記事】<コンクリートの供用期間の級

高強度コンクリート(JASS5)

高強度コンクリートの定義が、

「設計基準強度が\(36N/mm^2\)を超えるコンクリート」から

「設計基準強度が\(48N/mm^2\)を超えるコンクリート」に変更になります。

設計基準強度が\(48N/mm^2\)までは、一般的なコンクリートという扱いになります。

JIS(A5308)では\(45N/mm^2\)まで一般的なコンクリートとして扱われているので

現状に即した変更です。

新たにコンクリートの混和材料の追加・使用要件の緩和

コンクリート収縮低減剤(JISA6211)

火山ガラス微粉末(JISA6209)

炭酸ガス化スラグ骨材(JISA5011-5)

の使用が認められます。

回収水のうち上澄水は高強度コンクリートに使えるようになり、

また、スラッジ水は計画共用期間が「超長期」以外のものに使えるようになります。

環境負荷の低減について

生コンクリートのリデュース=残コンの削減

JASS5(2021年)では、残コンの削減について

残コンクリートの発生を抑制することが明記されます。

生コンクリートのリカバー

スランプを回復する混和剤の添加を認められるようになります。

低収縮コンクリートについて

・400μ

・500μ

・650μ

の3種類の低収縮コンクリートが設定されます。\(μ=10^{-6}\) を表します。

現在日本国内で流通している骨材の大半は、乾燥収縮率800μをクリアしています。

400μは材料の厳選が必要ですが、

500μまでは、膨張剤や収縮低減剤を使用することで対応ができると見通しになりそうです。

「何もできずにひび割れを容認する時代は終わる」と語る関係者もいるそうです。

その他の変更点

暑中コンクリート

「酷暑期」が設定されました。

日平均気温の日別平滑値が28度を超える期間⇒コンクリート温度が35度を超える期間

この酷暑期は、生コンの製造のみならず、

運搬・養生まで施工者にも十分に対策を取るように求められます。

寒中コンクリート

S値の範囲を外気温だけでなく、

コンクリート温度でも規定できるようになります。

シリカセメントの削除

流通されていないシリカセメントの名前を削除し、

ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメントの3種類としました。

高流動コンクリートについて

高流動コンクリートについては現在も指針の改訂作業中です(2021年1月時点)

まとめ

JASS5は2021年中に改定が予定されており、

メインテーマは「環境配慮」です。

資源循環性、低炭素性、環境安全について、新たに等級が設定されます。

低収縮コンクリートの新たな設定も加わり、また種々のコンクリートにも

現状に即した変更点が加えられます。