軽量コンクリート

概要

骨材に軽量骨材を用いたコンクリート
軽量コンクリートといいます。
(コンクリート標準示方書では、軽量骨材コンクリートといいます)
普通コンクリートよりも質量が小さい(=軽い)コンクリートです。

軽量骨材は、骨材の中に空隙が多くあるため
普通骨材よりも軽くなっています。
空隙がたくさんあるということは、
その分、強度が低くなり
また、吸水量・吸水率が高くなります

このため高強度での使用には限界があります。
また一般のコンクリートよりも凍結融解抵抗性が劣っている傾向があります。
更に圧送時に、軽量骨材が練混ぜ水を吸水してしまい
材料分離を起こしたり、スランプ低下を招いたりなど、
ネガティブな特性もあります。

使われている軽量骨材は人工軽量骨材です。
日本産の人工軽量骨材は
太平洋セメントが太平洋アサノライト(商品名)を2021年3月で生産停止してしまったため、
日本メサライト工業が生産しているメサライト(商品名)1種類のみとなります。

軽量コンクリートの種類

ざっくり要点を説明すると、
軽量コンクリート1種:粗骨材に軽量骨材を使用
軽量コンクリート2種:粗骨材と細骨材に軽量骨材を使用
⇒軽量コンクリート2種の方が、より1m^3あたりの質量が小さくなります。

例に漏れず、
JASS5(日本建築学会)
コンクリート標準示方書(土木学会)
JIS A 5308(レディーミクストコンクリート)
それぞれの規定ごとに軽量コンクリートについて記載があります。
それぞれ微妙に同じだったり違うところがあったりします。

軽量コンクリートの製造

軽量コンクリートは、軽量骨材に空隙がある特性から
軽量骨材は事前に吸水(=プレウェッティング)を十分行う必要があります
耐凍害性の向上のため、AEコンクリートを原則とします。
空気量は5%が標準です。
(普通コンクリートは4.5%が標準)
⇒耐凍害性を少しでも高めるために空気量が高め

軽量コンクリートの施工

圧送時に材料分離したり、スランプ低下を招きやすいので
事前に入念な検討・確認が必要です。