コンクリート診断士試験記述式問題対策

はじめに

コンクリート診断士の試験は、
記述式問題の出来が合否に大きく影響します。
下記に記載していますが、
(おそらく)約3400人中550位より上位に残らないと
不合格になってしまうというシステム(合格率16%)なので
(数値は2022年度試験結果概要より)、
不合格にならないためには、記述式問題用のトレーニングが必要です。
なぜなら、十分にトレーニングしてきた相手とも同じ土俵で
バトルロイヤルをするようなものだからです。

わたしが実践した方法(独学)

過去問を解く(建築・土木両方とも)

A3の解答用紙に手で書く
⇒手で1000文字書くので、本試験で書き切るためのトレーニングが必要です。
十数年前の一級建築士の製図対策の時は、
指が腱鞘炎なりました。
そのときに比べるたら、もう少しやり込む余地はあったかもしれません(笑)

上記PDFは、記述式問題対策用の解答用紙です。
わたしはA3タテ使いでトレーニングしましたが、
本試験はA3ヨコ使いなので、
本試験に寄せてUP用はアレンジしました。
A3で上質紙に出力して使ってもらえたらと思います。
(A4の2枚組でも使えますが、本試験はA3の1枚なので)
毎回PDFから出力するようにしてください。
コピーをコピーすると文字やメモリのマスが薄くて消えマス

時間を計りながら勉強する
⇒本試験も時間との戦いになります。
四肢択一問題40問を60分で済ませる。100分を小論文。20分見直し他。

120分(2時間)くらいまとまった時間を作り小論文対策をする
休日の13時~15時をその時間に充てました(実際の試験と同じ時間帯)
試験勉強をするにあたり家族の協力を得られたのはとても大きかったです。

・反復トレーニング
⇒小論文解答例トレースを含めて、A3用紙50枚使いました。

 
小論文1000文字×50セットこなしました。
50セットがどれくらい十分なのか、
やりすぎなのかはわかりません。
独学初挑戦で合格できたことは事実です。

小論文対策のテクニックは、
市販されている参考書や問題集に記載されています。
小手先のテクニックを使うと、
例えば、聞きかじったキーワードを知ったか振りで、
それっぽい日本語でならべてまとめることもできます
市販されている参考書・問題集の存在を否定しているのではありません。
むしろ、独学で勉強するわたしにとって重要な資料でありがたい存在でした。

わたしは、小手先のテクニックより、
コンクリートの変状・劣化
・中性化
・塩害
・ASR
・凍害
・化学的侵食
・疲労
・火害
・初期欠陥
・外力
・ひび割れ
それぞれ一つひとつについて、
変状の特徴・原因・調査方法・補修方法・補強方法を十分に理解しています。
「わたしはコンクリート診断士に相応しいです」
というメッセージを小論文の解答で(1000文字で)
採点官に伝えることができるようになるトレーニングを積むことが重要だと思います。
これは遠回りのようで、急がば回れのルートだと考えています。
なにより、四肢択一問題の対処能力も同時に上がります。

試験の概要

①四肢択一問題(40問)
②記述式問題(建築系・土木系のいずれかを選択し1000文字以内で解答)

合格の要件
:①②それぞれについて基準点を超えること

コンクリート診断士試験案内より

①四肢択一問題は、マークシート正答加点方式と考えられます。
(=間違えても減点されない。正答数が加点されていく。)
②の記述式問題の採点方法が完全にブラックボックスですが、
記述式問題の解答用紙を採点官が採点し得点をつけ、
得点を数値化されていると考えています。
そして、①・②それぞれに足切り点があり、
足切り点に満たないものはその時点で不合格、
(①の足切り点に満たないと②が採点されずに不合格の可能性あり)
更に①+②の合計点の高い順に並べて
上位の15~16%(1位~550位くらいまで?)の者を合格、
としているのではないかと考えられます。
コンクリート診断士試験は相対評価で合否が決定されると推測することができます。

記述式問題の採点方法の考察

記述式問題の採点は、マンパワーの人海戦術です。
これは間違いないと考えています。
AIが(AIで)手書きされた答案用紙をスキャンして1マス1マスに記入された文字を理解し
問いに対して適切に解答しているか読み取ってマルつけをして、
採点する技術は2022年現在、世の中にありません。
AIは画像診断などの処理計算は得意ですが、
用紙に手書きされた文字列を文脈として認識し、
内容を正誤判定する処理は苦手なの(できない)です。
大学入試共通テストで記述式問題の導入が先送りにされたのと
同じ理由だと思います。

AIによる答案の採点に関する技術的なハードルについては、
「AI vs.教科書が読めない子どもたち」に詳しく記載されています。

著:新井紀子(東洋経済新報社)

採点官によって得点にバラつきが生じると不公平になるので
画一された採点方法でなければなりません。
このことから、小論文の採点は基本的に減点方式で行われていると推測します。
「基本的に」と書いたのは、加点要素が入り込む余地はあると考えるためです。
また、採点官は「日本語の読解能力が十分にある」程度の人材では、
技術的な判定・評価を行うには力不足であると思うので、
コンクリートに関する教養を十分に持っているコンクリート工学会の関係者、
もしくは、その関係者に委託された者、と想像しています。

まとめ

結局のところ、わたしのこの記事での結論は、
正攻法で他の受験生よりも上に行くしかない
というはなしなので、
必要最小限の労力でギリギリの合格を目指すひとにとっては参考にならないと思います
しかし、「あぁ、やっぱりそうか」
と感じた方の背中は押せるのではと思っています。

 
やらなきゃいけないのだから
徹底的にやりこめば良いのです。
駆け出し研修生
何の根拠もない個人の主観だけを並べた文章で、
「チラシの裏にでも書いておいたらよろしいのでは!?」
と言われそうな記事ですね(自虐)