舗装コンクリート

概要

交通の便を図るために道路に敷かれたコンクリートを
舗装コンクリートといいます。
舗装コンクリートは、
・荷重支持性能
・走行安全性能
・走行快適性能
・耐久性能
などの性能が求められます

舗装コンクリートの特性

舗装コンクリートの強度は、曲げ強度を基準強度としています。
JIS A 5308(レディーミクストコンクリート)では
舗装コンクリートの呼び強度は、4.5N/mm^2
と規定されています。
空港舗装設計要領では、設計基準曲げ強度5.0N/mm^2を標準としています。

舗装コンクリートは、気象作用に対する耐久性
車両のタイヤによるすり減り作用に対する抵抗性も求められます。

また、舗装コンクリートの表面は、車両が快適に走行できるように平坦であり、
かつ車両がすべらないようにすべり抵抗性は大きい必要があります。

舗装コンクリートの材料

セメントは、普通ポルトランドセメントが用いられます。
早期強度が求めらる場合や、寒中施工の場合は
早強ポルトランドセメントが用いられることもあります。

骨材は、すり減りに対する抵抗性があることが要求されます。
粗骨材のすり減り減量の限度は35%
積雪寒冷地の場合は、25%以下を推奨しています。
積雪寒冷地の方が基準が厳しい理由は
チェーン走行によるより激しいすり減りを想定しているためです。

余談ですが、ダムコンクリートの粗骨材は、
すり減り減量の限度が40%とされています。

粗骨材最大寸法は、40mm以下を標準としています。

舗装コンクリートの調合(配合)

JIS A 5308(レディーミクストコンクリート)では、
スランプは、2.5cmと6.5cmの2種類が規定されています。

単位水量は、120~140kg/m^3程度に少なめに設定されます。
水セメント比は、55~60%程度、
空気量は、4.5%でAEコンクリートとすることが標準とされています。

舗装コンクリートの施工

JIS A 5308(レディーミクストコンクリート)では
舗装コンクリートは、スランプ2.5cmはダンプトラックで、
スランプ6.5cmはトラックアジテータで運搬する、と規定されています。

スランプ2.5cm:トラックアジテータで運搬=NG
スランプ6.5cm:ダンプトラックで運搬=NG

練り混ぜから荷卸しまでの時間は、
ダンプトラックでの運搬は、1時間
トラックアジテータでの運搬は、1.5時間
と規定されています。

施工手順は
コンクリートの荷卸し
 ↓
敷きならし(下層)
 ↓
鉄網設置
 ↓
敷きならし(上層)
 ↓
締固め
 ↓
打ち込み目地
 ↓
平坦仕上げ
 ↓
粗面仕上げ
 ↓
初期養生
 ↓
湿潤養生
 ↓
目地切り
 ↓
注入目地材の注入
 ↓
供用開始

舗装コンクリートの養生

舗装コンクリートは、体積に比べて表面積が大きいため
日光・風などの影響により、
温度変化や乾燥を受けやすい傾向があります。

このため、表面仕上げ後から硬化が始まるまでの
初期養生が重要です。
屋根による覆いと、膜養生剤の散布の併用が望ましいとされています。

養生期間は、現場用供試体の曲げ強度が
設計強度の7割に達することが確認できるまでとしています。

曲げ強度の確認を行わない場合は、
早強ポルトランドセメントで7日間
普通ポルトランドセメントで14日間
中庸熱ポルトランドセメント、フライアッシュセメント、
高炉セメントの場合で21日間
養生することを標準としています。