コンクリート技士とは
公益社団法人 日本コンクリート工学会が実施している認定資格のひとつです。
コンクリートの製造、施工、調合・配合設計、品質試験、品質検査、品質管理および設計などの
日常の技術的業務を実施する能力があるか否かを試験により判定されます。
コンクリート技士の位置づけ
国土交通省土木工事共通仕様書等において
⇒コンクリートの製造、施工、試験、検査及び管理などの技術的業務を実施する能力のある技術者
土木学会「コンクリート標準示方書」
日本建築学会「建築工事標準仕様書JASS5鉄筋コンクリート工事」
において
⇒コンクリート構造物の施工に関して十分な知識および経験を有する専門技術者
受験資格
コンクリート技士は、誰でも受験できる試験ではありません。
コンクリート技士の受験資格は、1)~4)のいずれかにあてはまる者になります。
1)下記のいずれかの資格を有する者
・コンクリート診断士
・一級建築士
・技術士(建設部門)
・技術士(農業部門-農業土木)
・(特別上級・上級・一級)土木技術者
・RCCM(鋼構造およびコンクリート)
・コンクリート構造診断士
2)下記のいずれかの資格と監理技術者資格者証を有すること
・一級土木施工管理技士
・一級建築施工管理技士
3)コンクリートの技術関係業務の実務経験3年以上有すること
実務経歴証明書に勤務先の証明印をもらう必要があります。
コンクリートの技術関係業務とは
レディーミクストコンクリート・コンクリート製品の製造、
コンクリートの品質管理・施工管理、
コンクリートの設計ならびにコンクリートの試験・研究等に関する業務をいいます。
上記1)~3)のいずれにも該当しない場合⇒4)
4)コンクリート技術に関する科目を履修した卒業者(大学・高等専門学校・高等学校)は、
コンクリートの技術関連業務の実務経験2年以上を有すること
卒業証明書+履修証明書+実務経歴証明書が必要です。
コンクリート主任技士との違い
コンクリート主任技士も日本コンクリート工学会が実施している認定資格で
こちらは、コンクリート技士の能力に加えて研究および指導などを実施しる能力のある
高度の技術を持った技術者となっていて、
コンクリート主任技士は、コンクリート技士の上位互換の位置づけです。
試験の実施概要
試験は、毎年1回、11月の最後の日曜日に実施されるのが通例です。
コンクリート技士とコンクリート主任技士の試験は
同じの同じ時間から始まるため
同時に受験することは物理的に不可能です。
試験会場
札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、那覇
で実施されます。
受験願書の販売
コンクリート技士・コンクリート主任技士ともに
一部あたり1000円で、(公社)コンクリート工学会から購入することができます。
コンクリート工学会の窓口での販売はなく、
簡易書留による郵送でのみ購入申し込みの受け付けをしています。
販売期間は、7月上旬~8月下旬です。
受験願書の受付
8月の上旬~9月初めまでです。
こちらも願書の購入と同様に、
簡易書留による郵送での提出のみ受け付けています。
受験料
コンクリート技士:8800円
コンクリート主任技士:11000円
試験方法
コンクリート技士:筆記試験(四肢択一式)
コンクリート主任技士:筆記試験(四肢択一式および記述式併用)
試験費用が技士より割高になっているのかもしれません
合否通知
試験を受けた翌年の1月中旬に
受験者本人に受験した試験の合否が通知されます。
同時期に合格者の受験番号がコンクリート工学会のホームページに記載されます。
資格登録
1月中旬~2月上旬の期間に登録料5500円を支払い
登録申込を済ませると
コンクリート技士、コンクリート主任技士の資格が付与され
登録証が発行されます。
登録の有効期限
資格の有効期限は、試験に合格した年度の翌年度から4年間で
登録証に有効期限が記載されています。
有効期限が切れる前に登録の更新、切れた後は再登録することで
再び試験を受けなおさなくても資格の継続ができます。
研修制度
更新登録または再登録をするためには
研修の受講が必要になります。受講料:8800円
2021年度から(もしくは2022年度)eラーニングという
web上での講習会(おそらく動画の視聴+修了試験)で行われるものと予想しています。
(2021年6月7日時点)
同じく、コンクリート工学会が実施している
コンクリート診断士の講習会は、2021年度からeラーニングで実施されているため
同様の対応がとられると考えられるからです。
まとめ
コンクリート技士とは、
コンクリートの製造・施工等に携わっている技術者の技量を認定する民間資格で
年1回受験のチャンスがあります。